2019年の1Qに読んだ本シリーズ:
クレジットのすべてがわかる! 図解 カードビジネスの実務<第2版>
- 作者: 本田元
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2017/03/23
- メディア: 単行本
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概要
全体的に浅く広く、クレジットカードやそれに類するデビットカードなどについて説明されています。
- クレジットカードの成り立ちと仕組みについて
- クレジットカードの事業を運営する企業での業務について
- オーソリゼーションシステムなど対外系システムやセキュリティについて
二つ目は本のタイトルのとおりで、分量を割いて説明されています。Webサービス開発者としては三つ目が気になるところです。
なぜ読んだか
EC系Webサービスを開発/運用していると、クレジットカード決済機能を実装したり、クレジットカードについての問い合わせ調査したりします。断片的には知識がありますが体系立った知識がない気がしたので、広く浅く知識を得るために読みました。
メモ
いくつかおもしろポイントがあったので書いておきます。
クレジットカードのビジネスモデル
クレジットカードによる購入(割賦販売法的には包括信用購入あっせん)は
- 「期限の利益」を消費者に、
- 「販売促進」を加盟店に、
それぞれ提供することで利息や手数料を得るビジネスモデルということが明記されていました。ここで、期限の利益とは支払いの期限を遅らせることで利用者が得られる利益のことです。また、販売促進については、キャッシュレス決済の手軽さや各種ポイント制度、売掛が確実に回収できることから効果があるということになります。
日本のクレジットカード
日本のクレジットカードは1枚にさまざまな支払い方法を備えていますが、これは「ジャパニーズペイメントオプション」と呼ばれるもので、海外カードは支払い方法ごとにカードが分かれているのが普通らしいです。また、分割払いなどは信用販売に由来しています。
スキーム
スキームはブランドホルダー(VISA/MasterCardなど)、イシュア、アクワイアラからなるインターチェンジ取引が世界的には標準ですが、従来の国内ブランドはアクワイアラが存在せずイシュアが直接加盟店を開拓するケースがあります(オンアス取引)。加盟店管理のコストからスケールはしないようです。
対外系システム
オーソリシステムは基幹系システムとは独立しています。理由はオーソリシステムは24時間365日稼働のオンラインシステムである一方、基幹系はメンテやバッチで止まることがあることによります。
その他
- 仕向け
- カード番号からカード発行会社を特定し、決済電文を送ること
- デュアルメッセージ
- オーソリ電文と売上電文を別々に送ること
- 対面決済でクレジットカードを利用する際のプロセスに由来
- シングルメッセージ
- オーソリ電文と売上電文を同時に送ること
- デビットカードなどで普及
- デポジットオーソリ
- ホテルなどでチェックアウトまで金額が確定しないので利用枠すべてをオーソリすること
- 確実に売上か取消をおこなわないとカードが使えなくなる
まとめ
クレジットカードの従来の広まり方や使われ方に起因して、いくつかの仕組みが存在していることがわかりました。この点ではWeb経由での利用だと存在意義がよくわからなかったので参考になりました。さらっと読み通しておくと便利かと思います。