2015/9/12(土)に XP 祭り 2015 に行ってきました。場所は早稲田大学西早稲田キャンパスでした。
参加したセッション
感想
私個人は XP と言われても TDD/リファクタリング、CI などについて、それぞれどういうことをやるかを知っていて、個人的に試したことがあるぐらいのレベルです。
以下、特に印象に残っている二つのセッションについて振り返ります。
XP lives, XP dies, XP lives again!!
角征典さんの『XP lives, XP dies, XP lives again!!』は、XP はゼロ年代後半に一度死に、『エクストリームプログラミング (Extreme Programming Explained)』の新訳版出版にともない復活の兆しがあるというお話でした。
そもそも XP の死については、「アジャイル」という概念を扱う資格やコンサル界隈のビジネスの過度な金儲け主義化により、XP やスクラムは一度死んだということが達人プログラマ Dave Thomas などによって言われていたということです。しかし、『エクストリームプログラミング』が再び世に出た今、もう一度 XP を見直す時期に来ているとのことです。
そこで、XP を見直すため、導入方法や適応的な開発を実行する勘所、またマインドセット(いわゆる HRT)についての解説がありました。プラクティスを選ぶ際に、最終的にはその方法や技術に「ときめき」を感じるかというところで判断するのが良い、というのがユニークな考えだと感じました。プラクティスのよさを定量化しにくいものと考えると、この考えは一理あるのかなと思います。
"俺"も XP 入門
永和システムマネジメントの木下史彦さんの『"俺"も XP 入門』は、The XP Series というエクストリームプログラミングに関する 8 種類の技術書(現在絶版)から、XP のエッセンスを抽出して紹介するというお話でした。
XP の二大目標は以下であるということです。
- 恐れに対処する
- 恐れや不安を認識できる環境づくりをして、意思決定する
- 変更コスト曲線を平らにする
- ソフトウェア変更にかかるコストが時間の指数関数になることを避ける
これらを実現するプラクティスに、五つの価値 (courage, communication, feedback, simplicity, respect) が反映されているということです。
XP のことをそれほど詳しく知らないまま祭りに参加したので、このセッションで XP についての基本的な考えかたを体系的に知ることができたのはよかったです。まとめの言葉としての「ソフトウェア開発は楽しくなければならないのです。そうでなければ、そのプロセスは間違っているのです。」という言葉はグサリときます。
ちなみに、The XP Series は(以前ピアソンエデュケーションから出版されていた技術書によくあるパターンで)絶版となっているのですが、下のスクショの通り、Amazone では、安いものは 1 円から (!) 売っています。
クロージング
クロージングでは、各出版社等からの献本をもらえるイベントがありました。本をもらえる条件はいくつかあったのですが、私は条件のひとつ
XP 祭りに初めて参加 && 入社 5 年目以下
に合致し、『Ruby のしくみ』をいただきました。開発方法論の本が多い中でやや異彩を放っていた『Ruby のしくみ』ですが、最近 Ruby を触っていることもあり、これにしました。低レイヤな世界に旅立ちたいと思います。
運営/スピーカーの皆さん、ありがとうございました。