Effective Java 第 2 版:第 4 章 項目 13, 14

亀の歩みで読み進めている Effective Java は第 4 章へ入った。 第 4 章は「クラスとインフェース」。 この章では、Java でクラスやインタフェースの機能を適切に使うための方法が説明されている。

今回は 項目 13, 14 をメモ。

項目 13: クラスとメンバーへのアクセス可能性を最小限にする

言わずと知れたアクセス修飾子 (public, protected, private) の適切な使いどころについて、説明されている。

アクセス修飾子の機能は以下の通り。

  • public
    • どこからでもアクセス可能
  • protected
    • サブクラス、同一パッケージ内からアクセス可能
  • パッケージプライベート(アクセス修飾子を付けない)
    • 同一パッケージ内からアクセス可能
  • private
    • そのメンバーが宣言されたクラス内からアクセス可能

クライアントが利用するメソッド (API) は、もちろん public を指定する。 そして、その他のメンバーは極力 private を指定するべきである。

private にする理由

できる限り外からメンバーにアクセスできないようにする理由として、情報隠蔽の考え方が挙げられる。 モジュール(例:クラス)の中のメンバを隠蔽することで、他のモジュールがそのメンバに依存した機能、処理を持つことがなくなる。 したがって、各モジュールを分離し、個別の開発や再利用が容易になる。 これが情報隠蔽の利点である。

パッケージプライベートの使いどころ

パッケージプライベートは、外部に公開する必要のないトップレベルのクラスやインタフェースに適用するとよい。 パッケージ外部に公開されないので、クライアントの知らないところで自由に変更、追加、削除できる。 パッケージプライベートクラスが一つのクラスにのみ使用されているなら、private のネストされたクラスにするのもよい方法である。

public static final

public static final の配列フィールドを持たせることは、ほとんどの場合で誤りである。 これは、配列が

public static final Object[] array = { ... }

のように final であったとしても、配列 array の各要素は変更可能であることによる。 このコードはセキュリティホールになり得る。 この事態を防ぐために、配列を private にしておいて、

  • Collection.unmodifiableList などで public な不変リストを持たせる
  • clone により得られるコピーオブジェクトを返す public なメソッドを持たせる

などの方法がある。

項目 14: public のクラスでは、public のフィールドではなく、アクセッサーメソッドを使う

アクセッサーとは、フィールドへアクセスするためのメソッドであり、要は getter と setter のことである。 情報隠蔽の観点から、public クラスのフィールドは public 公開してはならない。 代わりに、以下のように、アクセッサーを持つべきである。

public class Circle {
    private double x;
    private double y;
    private double radius;

    public Circle(double x, double y, double radius) {
        this.x = x;
        this.y = y;
        this.radius = radius;
    }

    // getter
    public double getX() {
        return x;
    }
    public double getY() {
        return y;
    }
    public double getRadius() {
        return radius;
    }

    // setter
    public void setX(double x) {
        this.x = x;
    }
    public void setY(double y) {
        this.y = y;
    }
    public double setRadius(double radius) {
        this.radius = radius;
    }
}

パッケージプライベート、private のネストされたクラスに関しては、public でフィールドを公開しても問題ない。 これは、公開範囲がパッケージ内、エンクロージングクラス内に制限されているためである。

また、不変フィールド(final の基本データ型、Stringなど)は、public 公開しても害は少ない。

参考文献

EFFECTIVE JAVA 第2版 (The Java Series)

EFFECTIVE JAVA 第2版 (The Java Series)